70%近いZ世代は、10年以上前の音楽を初めて聴いている。これは、ドルビーが先日公開した、アメリカ人の音楽消費の傾向を示したレポートで明らかになった数値です。回答によれば、Z世代の若者層は、10年以上前にリリースされたカタログ楽曲を初めて聴く機会が増えたと答えています。これはTikTokユーザーの間でカタログ楽曲の人気が顕著で、楽曲の再生復活にSNSが一役買っている、音楽再生のトレンドを裏付けるデータと言えます。「10年以上前の楽曲をごく最近に知ったと答えた回答者の傾向は、SNSで拡散されるバイラル動画が要因だと言えます」とドルビーは述べます。回答者の57%がSNSで音楽を初めて知る場所だと回答し、その他に曲やアーティストを知った場面ではテレビや映画が人気でした。YouTubeが音楽を知る上で最も人気あるプラットフォームで、次いでFacebook、Instagram、TikTokの順に人気でした。
レポートではまた、2020年始めに比べ、音楽を聴く時間が増えた、と答えた人が67%以上いました。また2020年始めよりも音楽に支払う額が増えたと答えた人は55%で、この中には音楽サブスクリプションに課金し始めた人も含まれます。コロナ禍で外出制限や自宅時間が増える中、自分時間の有効活用に音楽が費やされていることがある一方で、ライブや音楽商品の購入よりも、バイラル動画の再生やサブスクリプションの利用が増えてきたことが想像できます。
ドルビーはまた、音質重視の再生を好むZ世代が多いことも、レポートで明らかにしています。約90%の回答者が高音質は音楽サブスクリプションの「マスト」機能と答え、82%がより良い音質のサービスに変えたと答えました。さらに、Z世代の回答者の86%が高音質を再生できるデバイスを購入したい、と答え、約50%は最新の音響技術を使ってみたいとも答えています。今年ドルビー関連では、Apple MusicがDolby Atmos仕様の空間オーディオを展開開始し、大々的にプロモーションを行うなど、ストリーミング再生時の音質の向上を可能にする技術に注目が集まりました。Amazon Music HDもDolby Atmos対応の楽曲を追加料金無しで再生できるように仕様を変更するなど、ストリーミングプラットフォームの中で高音質楽曲の一般提供が広がっています。レポートの回答者のように、10年前の音楽を初めて知るキッカケが、TikTokのバイラル動画と、空間オーディオやハイレゾによって実現していると過程すれば、10年以上前のカタログ楽曲を再生してもらう方法の再構築が進化していると言えます。