世界中のアーティストやプロデューサーが使う、オーディオマスタリングのサブスクリプションサービス「LANDR」(ランダー)が、さらなるアーティスト向けのサブスクリプション「LANDR All Access Pass」を発表しました。
LANDRのサービスは、インディペンデントアーティストから、メジャーレーベル契約のアーティストまで、幅広い層に利用されてきました。
今回発表された新たなプランは、LANDRが個別に提供しているマスタリングサービスと、世界のDSPへ配信できるディストリビューションサービス、動画チャットのプラグイン「Sessions」、サンプルライブラリーを定額で利用できるオールインワンなプラン。
日本円では、年間プランに登録すれば月額1650円ですが、半年の割引キャンペーンが適応されて1100円で利用できます。月額利用の場合は2800円です。
これまで個別で複数のサービスに登録してきたアーティストやクリエイターにとっては、音楽活動や創作活動のコスト効率が高まります。
同プランでは、WAVファイルのマスタリングは3作品まで、など利用に制限があることも特徴。無制限にLANDRを利用するにはマスタリングやディストリビューションのサブスクリプションに加入する必要があることから、「LANDR All Access Pass」はDIYアーティストやクリエイターがLANDRのサービスを試してみるエントリーポイントとしてのプランであると言えます。
LANDRのサブスクリプションは、楽曲配信やライセンス管理、動画作成、収益化を個別に行うインディペンデントアーティストやクリエイターの間で注目が高まる「クリエイターエコノミー」向けのツールの代表例です。
今後はアーティストが好きなツールやテクノロジーを活動に応じて選ぶ創作環境やビジネス環境が広がる流れに繋がります。
先日、5000万ドル(約57億円)の出資を得た、ディストリビューターのUnitedMastersも、クリエイターエコノミーでの成功が高く評価されています。
多くのレーベルやマネジメントは、こうしたクリエイター向けのツールを開発、提供できていないため、LANDRやUnitedMastersといった、DIYアーティストやクリエイター寄りなサービス企業が提供する付加価値と収益化モデルと、どう差別化していくかが問われています。