最近盛んな、アーティストの著作権売却の世界に、また新たな動きです。
今回は、イギリスのアーティストMassive Attackの設立メンバーであるロバート・デル・ナジャ(3D)とグラント・マーシャル(ダディ・G)が、ニューヨークの音楽出版社で著作権ファンドのRound Hill Musicにカタログを売却しました。Round Hillが支払った額は未発表。
二人が売却したカタログは、Massive Attackが1991年から2010年にリリースしたスタジオ・アルバム5枚、『Blue Lines』から『Heligoland』までの権利が対象になります。
先日、Music Ally UKがオンライン開催した音楽カンファレンス「NY:LON Connect」の基調講演に登壇したRound Hill MusicのCEO、ジョシュ・グルースは「彼らの素晴らしいカタログと一緒に仕事ができることは大変素晴らしいことです。Massive Attackの音楽は時代を超越します。音楽のイノベーターとしての彼らの重要性は計り知れないものがあります」と語りました。
基調講演でグルースは、カタログの出版権に支払われる資金の額を擁護しました。「カタログ出版の権利の価格は、将来の成長率で考えると、(中略)実際には10年前に比べても価格はそこまで高まりません。仮に業界標準である出版資産の20倍に伸びても、です。10年前は倍率が低かったかもしれませんね。成長率は横ばいまたは1-2%の微増だったのに対して、今日では音楽出版の成長率は6-8%に増えています。20倍の価値があります」