Spotifyは、TikTokに似た縦型の短尺音楽動画をフィード形式で表示する機能を、モバイルアプリでテストし始めました。発見した一部のユーザーによれば、テスト版のSpotifyアプリ下部のナビゲーションには、「Discover」タブのアイコンが表示されるようになっており、その中では、音楽と連動して再生できる縦型の動画専用のフィードが表示されます。ユーザーはTikTokやInstagramアプリのように、楽曲を再生しながら、動画をスクロールでき、動画をタップしてお気に入りしたり、楽曲ページを呼び出すこともできます(テストの様子はこちらの動画から)。
Discoverフィードに流れる縦型動画は、2019年から始まったループ状のショート動画をモバイルの再生画面に表示できる「Spotify Canvas」機能と同じフォーマットです。ユーザーはシングルやアルバムのアートワークの代わりに、アーティストが生成した動画やGIF、縦長の映像コンテンツのループを再生画面上で楽しめるようになっています。Spotifyによれば、Canvasを設定した楽曲は、標準のアートワークを表示している楽曲よりも、ユーザーのエンゲージメントが高まり、より多くの再生や、楽曲のお気に入りに繋がっている、と説明しています。
Spotifyは、テストを行っていることは認めたものの、Discover機能がどのようなテストか、どんな効果があるか、詳細を明かしていません。「Spotifyでは、ユーザー体験を向上させるため、定期的に様々なテストを行っています」と同社のスポークスパーソンは回答しています。
本テストの機能が、将来的に実用化されるか、テストで終わるのか分かりませんが、SpotifyはCanvasやDiscover以外にも、Instagramのストーリーズに似た「Stories」動画コンテンツのテストを行ってきました。これは、アーティストやクリエイター、インフルエンサーが動画を撮影して独自に投稿できる機能で、テスト投稿された動画は公式プレイリストの画面上にポップアップ表示される仕組みになっていました(Storiesの様子はこちらの動画から)。Spotify内で動画を投稿することによって、アーティストを見つける頻度が高まったり、楽曲再生やエンゲージメントの向上に繋がることが示せれば、レーベルやアーティストはより積極的に縦長動画を活用しようとする流れが強まっていくと予想されます。