ザ・ビートルズのグローバルでのプロモーション・キャンペーンが始まっています。『レット・イット・ビー』のスーパー・デラックス・バージョンのリリースがストリーミングで始まり、Spotifyでは未発表動画とオーディオコメントを含む「Enhanced Album」プレイリストが公開され、Apple MusicではDolby Atmosによる空間オーディオ・バージョンのリリースに加えて、世界各国のラジオDJによるApple Music 1での特集番組が配信されています。公式サイトでは、アナログレコードを軸にしたパッケージ商品の展開も開始。さらにはDisney+でオリジナル・ドキュメンタリー・シリーズ『ザ・ビートルズ:Get Back』の独占配信が11月25日から始まることが発表され、予告動画がYouTubeなどSNSで公開しています。
こうしたキャンペーンの一貫として、ザ・ビートルズの公式TikTokアカウントが開設されました。膨大なカタログから36曲が公式に追加され、動画投稿が可能になりました。36曲の中の12曲は『レット・イット・ビー』や『1』などからの楽曲が含まれ、多くがイギリスやアメリカで人気の曲です。
TikTokでは、すでにメンバー個人の公式アカウントの運営が始まってきました。2020年にはジョン・レノンとポール・マッカートニー、今年にはリンゴ・スターとジョージ・ハリスンのアカウントと楽曲がTikTokで解禁されました。
TikTokではカタログ作品の再販のタイミングに合わせて、アーティストの公式アカウントを開設するケースが増えており、カタログ・アーティストのプロモーション・キャンペーンでもTikTok活用が外せなくなってきました。カタログ楽曲を多く取り扱うレーベルでは、TikTokで動画トレンドを注意深く分析する傾向が高まっています。ソニー・ミュージックでカタログの再発を専門に扱うレーベル、Legacy Recordingsのマーケティング担当上級副社長アンディ・マクグラスは、「楽曲カタログの変容は毎日トラッキングできるようにしています。TikTok上での動向、反応、トレンドを常にモニタリングしています」と語っています。