DIYアーティストやクリエイター向けの音楽ディストリビューションサービス「Symphonic Distribution」は新機能として、TikTokからの収益情報を可視化できるダッシュボード「TikTokロイヤリティ・アナリティクス」を開始しました。

新しく追加されたこのツールは、Symphonicで配信するアーティストに無償で提供されます。TikTokからの収益情報をデータとして提供するディストリビューターはSymphonicが初めてとなります。

アーティストはこのダッシュボードから、TikTokのUGC動画で使われた楽曲の再生数やお気に入り、シェア数、コメント数など、詳細なデータを見ることができます。音楽がどこで使われたかを含めて、UGC動画の収益性を可視化することで、アーティストは次の収益化の可能性をいち早く探れます。

また、これらのデータを利用して、UGC動画とTikTokを活用したマーケティング・キャンペーンの企画を考える時間を短縮できるため、マーケティングの成果の確率を高めてくれます。Symphonicでは毎月の支払いに併せてTikTokからの収益分配を行っていきます。

SymphonicがTikTok専門の機能を拡充する理由には、同プラットフォームから配信するアーティストがTikTokで成功し始めていることが関係しています。

その一人のインディペンデント・ヒップホップ・アーティストDoechiiは、2020年にリリースした「Yucky Blucky Fruitcake」が、歌詞の「why don’t you introduce yourself」がミーム化してTikTokでバイラル動画となり、UGC動画は300万回以上生成され、一躍注目を集めました。

TikTokでの成功をSymphonicのデータツールから把握したことで、追加のマーケティング展開を加速させ、同曲はTikTokの音楽チャートでもトップ10入りを果たし、Spotifyのバイラルチャートで北米やオーストラリアで1位を獲得。DSPでの再生数も伸ばしてきました。何よりも音楽シーンでの認知が広がったことによって、Hip HopDXが選ぶ「Rising Stars 2022」の一人に選ばれ、グラミー賞にノミネートされるR&BアーティストのSZAはDoechiiをオープニングアクトに選ぶように、アーティスト活動の飛躍に繋がっています。

Symphonicから配信する世界のアーティストではこの他にもPaulo PiresKrawkなど、動画で成功しているアーティストが増えています。TikTokのバイラル動画の成功を偶然で終わらせることなく、アーティストの成長を加速するため、アクションに繋げるためのツール活用やサービス開発が今年は増えていきそうです。