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米国を拠点とするインディペンデント・アーティストのためのディストリビューター大手のEMPIREは、オーストラリアの音楽市場に進出します。シンガポールで開催されたカンファレンス「ALl That Matters」で、EMPIREの創業者兼CEOのガジ・シャミ(Ghazi Shami)が明らかにしました。

EMPIREは、オーストラリア地域のマネジャーに、元[PIAS]オーストラリアやInertia Music、ソニーミュージック、ユニバーサル ミュージック オーストラリア、EMIミュージック・オーストラリアなどで、レーベルサービスやデジタル戦略などの責任者を務めてきた、キャメロン・ウォルシュ (Cameron Walsh)を採用しました。

EMPIREは2010年にサンフランシスコで設立して以来、レーベルと契約しないインディペンデント・アーティストに対して、ディストリビューション、音楽出版、レーベルサービスを提供しています。これまで、多くのヒップホップ・アーティストのグローバルヒットや、世界展開を支援してきました。近年は、アフリカを中心に世界的な人気が急拡大する音楽ジャンルであるアフロビーツの業界で、支持を集めています。

本社のあるサンフランシスコに加えて、ニューヨーク、ロンドン、ラゴス、ナッシュビル、ヨハネスブルグに拠点があり、現在は、世界各地に約250人の体制で運営しています。オーストラリアへの進出に伴い、EMPIREは、米国の東西海岸地域やナッシュビル、ヨーロッパ、アフリカに加えて、オセアニアやアジアでの展開をさらに強化することとなります。

EMPIREが支援するアーティストでは、今年に入り、Shaboozeyの「A Bar Song (Tipsy)」のヒットを支援してきました。同曲は、米国で10週にわたりBillboard Hot 100で1位を維持するほどの勢いがあり、オーストラリアのARIAチャートでも1位、英国でもトップ10入するほど、世界各地で再生と話題を獲得しています。

2020年には、Empire Publishingを設立して、音楽出版領域に参入しました。出版部門が支援した楽曲では、2024年だけで、Justin Timberlakeの「Selfish」、310babiiの「Soak City (Do It)」、Morgan Wallenの「Spin You Around」と、ヒット3曲を制作しており、米国ビルボードが発表した、Hot 100チャート楽曲における音楽出版社別の市場シェアでは、10位にランクインしました。