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音楽ファンの間でのアナログ・レコード人気が、音楽業界の世界的なトレンドとして各国で続いています。全世界の音楽売上では、アナログ・レコード売上がCD売上を上回ることが予想されています。

アメリカ・オハイオ州ラブランドに拠点を置くインディペンデント・レーベル「Colemine Records」の創業者テリー・コール (Terry Cole)が、アナログ・レコードからの収入がいかに重要かについて、SNSで語っています。

投稿された動画では、音楽ファンがケリー・フィニガンのLP『A Lover Was Born』を購入した場合、売上がどのように分配されるか、その内訳を詳細に説明しています。購入者が23.99ドルを支払った際の内訳は以下の通りです。
・店舗の売上: 8.49ドル
・ディストリビューターの売上: 3.10ドル (このLPではSecretly Distribution)
・製造したプレス工場の売上: 6.03ドル
・レーベルとアーティストの売上: 6.37ドル (このLPでは50/50の純利益分配契約)

コールは次のように述べます「レコードを(大手チェーン店ではなく)独立系レコード店で購入することは、4つのインディーズ企業と、一人のアーティストを支援することを意味し、音楽エコシステム全体の支援に繋がります」

「同じ利益をストリーミングの再生から得るには、Spotifyを例にした場合、ケリー・フィニガンの音楽を4日半連続 (108時間)で再生し続ける必要があります。ストリーミングを批判するものではありません。私たちはストリーミングが大好きです。ただ、アーティストを支援する方法として、フィジカル・レコード購入ほど、良い方法は存在しないでしょう」

アナログ・レコードの売上は、音楽消費がストリーミング中心に移行した中でも、過去18年連続で、毎年成長してきました。Luminateのデータによれば、2023年には年間売上枚数は4960万枚を超えました。これは2016年以降、過去8年間で約300%の伸びです。この要因の大きな理由が、コールが説明した独立系レコード店の存在です。今やアナログLP売上総数の40%は、こうした独立系店舗での購入で、CDを含めたフィジカル商品の売上総数の29%を占めるほど、アーティストやレーベルの売上に欠かせない存在となっています。