Spotifyは、ソニーグループとホンダが共同設立したソニー・ホンダモビリティとの提携を発表しました。Spotifyは、ソニー・ホンダモビリティが開発・販売するEVブランド「AFEELA」(アフィーラ)の車載エンターテインメントシステムに導入されます。AFEELAの利用者は、車内からSpotifyへ直接アクセスが可能になり、Spotifyがレコメンドする楽曲やプレイリスト、ポッドキャスト、オーディオブックが利用できます。
ソニー・ホンダモビリティは、米国ラスベガスで開催するテクノロジーの展示会「CES 2025」で、ブランド第一弾となる「AFEELA 1」の先行予約を発表して、話題を集めています。
Spotifyは長年にわたり、自動車市場への進出を図ってきました。しかし、2024年、同社は開発してきた車載ハードウェア「Car Thing」のサービス終了を発表する方向転換を行いました (2022年7月ですでに生産終了)。SpotifyはCar ThingはSpotify初のハードウェアとして登場しましたが、発表以降も、大きな影響を残すことができませんでした。
しかし、今回発表されたソニー・ホンダモビリティとの取り組みは、Spotifyが自動車市場や車載エンターテインメントでの取り組みを断念していないことが明らかになりました。
一方、ソニー・ホンダモビリティは、Spotify以外のパートナー企業との提携も発表しました。Amazon MusicとAudibleとの連携も発表し、車載システムから直接Amazon Musicやオーディオブックのカタログの利用可能になる予定です。また、Dolbyとの協業も発表されました。これによって、AFEELAは、Dolby Atmosでのコンテンツ再生に対応する予定です。さらにStingrayとの提携も発表され、車内でカラオケサービスが楽しめる「Stingray Karaoke」の利用も導入される予定です。これらの音楽サービスとの提携は、車載エンタテインメントを提供したい自動車メーカーにとって魅力的なパートナー企業であること改めて示しました。AIやアルゴリズムを活用する場面が増えることを想定すれば、今後は、運転中に再生しやすいプレイリストや、自動車の利用者が好むコンテンツのレコメンデーションなど、個人の行動や好みにパーソナライズされた音楽体験を提供する企業間の取り組みが進化する可能性も高まりそうです。