Spotifyの指標である「月間リスナー数」(Monthly Listeners)は、音楽ストリーミングサービスにおける数少ない公開データの一つであるため、アーティストを紹介するジャーナリストや、音楽業界内の間でも頻繁に引用されています。一方、YouTube Musicもこれに対抗する形で、アーティストページに独自の指標を導入しました。

新しい指標「月間視聴者数指標」(Monthly Audience Metric)は、過去28日間のアーティストのユニークリスナー数と視聴者数を合算したデータで、毎日更新されていきます。この指標には、YouTubeのあらゆる動画フォーマットの視聴と再生が含まれます。その中には、アーティストやレーベルがアップした動画やYouTubeショート、他のチャンネルに投稿されたコラボレーション動画、楽曲を使用したUGC動画やYouTubeショート、アーティスト・チャンネルの音楽以外のコンテンツの再生や視聴も対象です。

この新指標は、すでに一部のアーティストページで試験的に始まっています。他のアーティストには、引き続きチャンネル登録者数が表示されます。Googleは、この指標を「ファン向けの新しい公開指標」と位置付けており、アーティストのリーチをより正確に把握するものと説明しています。

アーティストやレーベルにとっては、新しい指標によって、登録者数よりも流動的なデータの取得が可能になります。なによりも、ファン動画や、ショート動画、一般ユーザーが投稿したUGC動画も考慮することで、アーティストや楽曲の人気や影響力、波及力をより包括的かつリアルに測れる指標として注目されます。