アマゾンは自社が提供する音楽サービスのこととなると、意味のある数字を発表したがらない。しかし、ファイナンシャル・タイムズが発表した報告には、いくつか新たな数字が載っている。「説明を受けた人によると、Amazon Music Unlimitedに登録している人の数は昨年70%程増加した」という。また、「4月には、Unlimitedとプライム・ミュージックを含む、すべての音楽サービスを合わせて、アマゾンの会員登録者数は3,200万人以上となった」とのこと。
この数字は驚くべきものではない。2018年の4月に、アマゾンはテクノロジー・ニュース・メディアのThe Vergeに、アクティブな登録者が「何千万人」とおり、過去6ヶ月間で、Unlimitedの登録者数は100%増加していると語っている(つまり、最新の統計によると、Unlimited登録者数の成長率は下がっていることになる。しかし、それでも、前年同期比70%増の成長は、ストリーミング市場におけるその他のライバルを遥かに上回っている)。
アマゾンは、ファイナンシャル・タイムズの数字を公認していないが、同社の音楽責任者であるスティーブ・ブーム氏は、Amazon Musicの会員登録者のうち14%が55歳以上であると発言しており、アマゾンの成長が、ある意味で、単に競合他社からユーザーを惹きつけているだけではないという感覚を強調するものとなっている。
しかしながら、ファイナンシャル・タイムズは、Amazon Musicの成長は、SpotifyやApple Musicの成長を上回っているとして、競合他社との比較も報道している。Spotifyの有料会員数は、今年3月の段階で、前年同期比32%増の1億人となった。Apple Musicの会員登録者数は2018年4月の4,000万人から2019年6月の6,000万人まで成長している(つまり、14ヶ月間で50%の成長)。
音楽サブスクリプション分野における三大サービスの会員登録者数が少なくとも1億9,200万人は存在するということに焦点を当てるべきかもしれない。テンセント・ミュージックを投入すると、上位4サービスの会員登録者数は2億2,100人以上にもなる(テンセント・ミュージックが提供するオンライン・ミュージック・サービスの有料会員は、3月末時点で2,840万人)。ちなみに、テンセントもSpotifyも2019年第2四半期の数字はまだ公表していない。