テンセント・ミュージック・エンターテインメント(TME、騰訊音楽娯楽集団)が、最新の決算を報告した。発表によると、同社が運営する3つのオンライン音楽サービスのアクティブ・ユーザーの成長は鈍化しているものの、それらサービスへの有料加入者数は、遥かに活発な勢いで成長しているとのこと。

テンセント・ミュージックのモバイル月間アクティブ・ユーザー数は、2019年第2四半期末時点(4-6月期)で、QQ Music、Kugou Music、Kuwo Musicの3サービスを合わせて、前年同期比1.2%増となる6億5,200万人となった。しかし、同期間で、有料会員数は33%増となり、前年の2,330万人から今年6月末時点で3,100万人まで成長を見せた。今年の第2四半期におけるテンセント・ミュージックの新規有料会員数は260万人となっている。ちなみに、Spotifyの同期における新規有料会員数は800万人だ。

テンセント・ミュージックの有料会員は、月平均8.7人民元(約131円)を消費しており、テンセント・ミュージックの有料会員ごとの平均収益は1.1%下落したことになる。テンセント・ミュージックは、第2四半期において、オンライン音楽サービスから前年同期比20.2%増となる、15億6,000万人民元(約235億600万円)の収益を上げている。この数字には、31.9%の成長を見せ、7億9,800万人民元(約120億2,400万円)の収益を上げた音楽サブスクリプションや、アルバム・ダウンロードの売り上げも含まれている。

テンセント・ミュージックは第2四半期において、9億2,700万人民元(約139億6,700万円)の純利益を報告しているが、今回も、カラオケおよびライブ配信アプリ分野のソーシャル・エンターテインメント事業が大きな役割を果たすこととなった。テンセント・ミュージックにおけるソーシャル・エンターテインメント事業の収益は、35.3%成長し、43億4,000万人民元(約653億8,600万円)となった。

ソーシャル・エンターテインメント事業は、テンセント・ミュージックの総収益の73.5%を占め、オンライン音楽事業は26.5%を占める結果となった。同社のソーシャル・アプリのモバイル月間アクティブ・ユーザー数は、前年同期比4.8%増となる2億3,900万人となり、有料会員数は前年同期比16.8%増の1,110万人となった。カラオケおよびライブ配信アプリの有料ユーザーは月平均130.2人民元(約1,962円)を消費しており、オンライン音楽サービスの有料ユーザーが消費している額の15倍以上となった。

また、テンセント・ミュージックは、Kugouにショートビデオ機能を追加し、ユーザーやプロのクリエイターがともに投稿できるようにしており、TikTokのテリトリーへとサービスを進出させている。他にも、カラオケアプリWeSingのLite版をローンチするとともに、その他の東南アジア諸国にもサービスを展開した。さらに、テンセント・ミュージックは、スマートスピーカーやスマートウォッチ、車などの製造元とのパートナーシップに取り組んでいるという。

決算報告の場では、テンセント・ミュージックの親会社であるテンセントが、ユニバーサル・ミュージック・グループの株を最大20%取得する計画についても言及された。テンセント・ミュージックのCEOであるクッション・パン氏は、「現在、テンセントがヴィヴェンディとの協議を進めています。テンセント・ミュージック・エンターテインメントは、これらの取引への参加に関して、最終決定を下していません。しかし、社内で、特に弊社の役員レベルで、さらに議論が行われていくことでしょう」と慎重な回答をしている。