アプリ分析企業のSensorTowerが、7月に世界で最もダウンロードされた音楽アプリに関する推定値を公開した。統計はアップルとグーグルのアプリ・ストア分析に基づいており、その他サードパーティのAndroidアプリ・ストア(中国ではこれらのストアが特に人気がある)は含まれていない。
iOSとAndroidを合わせたダウンロード全体の一位となったのはSpotifyだ。SensorTowerによると、Spotifyのアプリは7月に2,000万回以上インストールされており、前年同期比35%増となったとのこと。ちなみに、この数字には、特定の地域で利用可能となっている「Spotify Lite」のダウンロード数も含まれている。2位はYouTube Musicだ。SensorTowerによると、YouTube Musicは7月、1,300万回近くインストールされているものの、成長率としては、前年同期比2%増程度にとどまったとのこと。
SensorTowerの推定「インストール数」は、実際の「新規ユーザー数」と比較するとどうだろうか。2019年第2四半期、Spotifyは月間アクティブユーザーを新たに1,500万人増やしている、つまり月平均にすると500万人程度だ。したがって、「インストール数」は「新規ユーザー数」と同じでないということが明らかである。
SensorTowerによると、2019年7月、Spotifyの世界中におけるインストール数のうち、25%をインドが占めていたという(つまり、約500万回インストール)。さらに、YouTube Musicのインストール数においても、インドは15%を占め(200万回弱)、両方のアプリにおいて、最もインストール数の多い国となった。
インドのストリーミング・サービスであるGaanaとWynk Musicもそれぞれ6位と10位として、ShazamやSoundCloud、Smule、Deezer、Kugouなどと並び、SensorTowerのトップ10位までのチャートにランクインしている。
今回のSensorTowerによる分析にはApple Musicが抜けている。Apple MusicはiOS端末上で「Music」アプリとして事前搭載してあるため、アプリ分析企業にとっては悩みのタネとなっている。つまり、インストール数は同じ方法では追跡されておらず、人々がデバイス上で何を使っているか、別の方法で調べようとすると、今度は、アップルの「Music」アプリを、自分の持っているデータを聴くために利用している人と、Apple Musicの有料会員として利用している人を差別化するという問題に直面するのだ。
兎にも角にも、SensorTowerの分析では、インストール数に焦点を当てている。7月のチャートで驚くべきは、キプロスに本社を置くモバイル開発企業のEasybrainによって配信されている「Drum Pad Machine」という、ユーザーフレンドリーなビート作成アプリが、SpotifyとYouTubeに続き、世界で三番目にインストールされた音楽アプリとなったことだろう。