先日オンライン開催された音楽業界のカンファレンス「Midem Digital Edition」では、スタートアップのピッチコンテスト「Midemlab」の優勝社が発表されました。
4つのカテゴリーに分かれて優勝を争う今年のMidemlabでは、世界34カ国203社からの応募の中、勝ち残ったスタートアップは次の通りです。
音楽制作/教育部門<Music Creation & Education>
Infinite Album(米国)
ディストリビューション/ディスカバリー<Music Distribution & Discovery>
Rippla(イギリス)
音楽マーケティング/データ分析<Music Marketing & Data/Analytics>
Rightsholder(米国)
ライブ体験<Live Music Experiences>
Anything World(イギリス)
Infinite Albumhはゲーム実況やライブ配信用に、リアルタイムでAIが著作権フリーのサウンドトラックを生成し配信する技術を開発。
Ripplaはライブ配信イベント時にスーパーファン向けのミートアップ・スペースやプロモーションイベント用スペースを生成する技術をアーティストやマネジメント、レーベル向けに開発し収益性を高める支援を行います。
Rightsholderは、楽曲著作権のデータベースと検索エンジン。シンクロライセンスに関わる人や音楽出版社、マネジメント会社、作詞作曲家などの作業時間を削減してピッチやプレゼンなどに活用するデータツールを開発しています。
Anything Worldは、3DのアバターやキャラクターをAIと連携して簡単にデザインでき、アプリやメタバース、ゲームコンソール、ウェブ、VR、ARなど様々なプラットフォーム用に活用できるクリエイターツールを開発しました。
リアルタイム配信やスーパーファン、音楽出版ビジネス、3Dキャラクターなどがキーワードとしてあがりましたが、これらのスタートアップの技術とビジョンは、アフターコロナの音楽業界やアーティスト活動をすでに見据えていることが言えます。原盤や有観客ライブ以外の領域で、いかにして収益性を高め、デジタル消費が進むファンとのインタラクションを高めるための取り組みは、すでに世界の音楽業界では始まっています。