先週ロンドンで開催されたMusic Ally主催のカンファレンス「Sandbox Summit」のオープニング・パネルでは、TikTokとレーベルがソーシャル・アプリ上で実行しているキャンペーンにフォーカスが当てられた。「TikTokでは、アーティストよりもファンのクリエイティビティが重要となる」という。

「オーディエンスに、インフルエンサーになるチャンスを与えるのです」とマーケティング会社FanbytesのCEOであるティモシー・アームー氏は述べ、アーティスト自身のプロフィール用のコンテンツを作成するキャンペーンではなく、ファンが、自ら動画を自由に作成し、自分たちの才能を誇示できる場となるキャンペーンを推奨した。

また、Ministry of Soundのデジタル・マーケティング部長であるネグラ・アブデラ氏は、これが、アーティスト自身はTikTokを使うのを居心地よく感じていなかったとしても、レーベルが彼らに代わって取り組む余地があることを意味すると述べている。「これに対処する方法は、アプリ上で、クリエイターと緊密に連携することです。私がTikTokのクリエイターに関して素晴らしいと思うのは、誰もがインフルエンサーになることができ、アプリ内で影響力を持つことができるという点です。ただ適切な人材を見つけるだけでよいのです」とアブデラ氏は語る。

とはいえ、TikTokの音楽コンテンツ・ストラテジストのアンナ・グルシュカ氏は、より多くのアーティストを巻き込んでいきたいという同社の意欲を強調している。「確かに、アーティストが知らなくても、楽曲がオーガニックにバイラルになることはあり得ます。しかし、我々は是非アーティストにも参加してもらいたいと考えています。我々が企画するキャンペーンにアーティストが参加すると、キャンペーンのパフォーマンスはずっとずっと良くなる傾向があります」とグルシュカ氏は語った。