AI(人工知能)は、作成した音楽(または他のアートやコンテンツ)の著作者と認められるだろうか?猿が自分でカメラのシャッターボタンを押したことによって撮られたセルフィー写真から、増加する音楽スタートアップ企業によるAI生成音楽まで、この問題が議論され始めてからしばらくになる。
そして、大体の場合において、著作権登録機関から徴収団体まで、著作権を扱う団体の答えは「ノー」となることが多かった。つまり、AIが生成した音楽の著作者は、AI自体の開発者とされることが多かった。
現在、米国特許商標庁は、この問題に対する変更が必要か否かに関する協議を開始している。人々に意見を求める、いくつかの重要な質問のリストが用意されているとTorrentFreakは報道している。
「生身の人間による、作品の表現への関与無しで、AIアルゴリズム、またはプロセスによって作成された作品は、米国著作権法の下で保護可能な著作物とみなされますか?また、その理由もお教えください」というのが、最初の質問だ。
「生身の人間による関与が必要、または必要とされるべきと仮定した場合、その作品が著作権保護の対象となるためには、どのようなレベルの関与であれば十分だと考えますか?例えば、①該当作品を作成したAIアルゴリズムまたはプロセスを設計した、②アルゴリズムやプロセスの設計に貢献した、③アルゴリズムのトレーニングなどで使用されるデータを選択した、④AIアルゴリズムもしくはプロセスを使用して、該当作品を生み出した、⑤前述の活動の特定の組み合わせに関与した、など、上記のような活動に関与していれば十分と認められますか?」というのが二つ目の質問となっている。
AI音楽スタートアップ企業から徴収団体、権利保有者まで、音楽関係者はこの議論に参加するべきだろう。こういった問題が、音楽業界の将来にとって重要となることは間違いない。