グーグルの親会社であるアルファベットがYouTubeの最新四半期における財務結果を発表した。「2019年におけるYouTubeの広告収益は150億ドル(約1兆6,476億円)に到達し、2018年と比較して36%成長しました。YouTubeは現在YouTube MusicとYouTube Premiumを合わせて、2千万人以上の有料加入者、YouTube TVでは200万人以上の有料加入者を有しており、YouTubeのサブスクリプションおよび、そのほかの広告以外の収益の、年間ランレートは、2019年末時点で30億ドル(約3,295億円)となりました」とCEOのサンダー・ピチャイ氏は説明している。
アナリストの一人が指摘したように、YouTubeの総ユーザー数が約20億人である場合、ユーザーあたりの広告収益は約7~8ドル(769〜879円程度)ということになる。ピチャイ氏はそのまとめには反対せず、「収益化レベルに関しては、中長期的に、さらなる余裕があります。かなりの余裕です。そのため、我々はそれを大きなチャンスと捉え、投資しています」と語った。
アルファベットは、2019年だけでなく、YouTubeの過去3年間の広告収益についても公表している。YouTubeは2017年には81億5千万ドル(約8,951億8千万円)、2018年には37%成長の111億6千万ドル(約1兆2,258億円)、2019年には36%成長の151億5千万ドル(約1兆6,641億円)を生み出している。総体的に捉えるため、別の数字を挙げるならば、2019年におけるグーグルの「検索およびその他」の広告収益は、981億2千万ドル(約10兆7,775億円)であり、前年同期比では15%の成長となっていた。
音楽業界団体および権利保有者は、「バリュー・ギャップ」問題へのロビー活動とライセンス交渉をする際に、年間収益150億ドル(約1兆6,476億円)という数字を考慮するようになるだろうが、YouTube MusicおよびYouTube Premiumの有料加入者数が2千万人以上いるということにも、注意を払う価値がある。
YouTubeの有料加入者は、YouTubeの総ユーザー数20億人の中のほんの一握りであり、Apple MusicやSpotifyはもちろん、アマゾンの音楽サービス加入者数の3分の1程度ではある。しかし、YouTubeが加入者総数を増やし続けるために、特にインドや中南米、アフリカなどの地域において、どのような計画を立てているかは、注目しておくべきだろう。