2011年、米国は世界の録音原盤売上の26%を占めた。国際レコード産業連盟(IFPI)の数値によると、音楽ストリーミング・サービスが大規模なグローバル展開を迎えたにも関わらず、2019年、米国が占める割合は36%にまで成長したという。すでに世界第一位の音楽市場である米国が、なぜ売上高のシェア率をさらに伸ばしているのだろうか?

 元Spotify チーフ・エコノミストのウィル・ペイジ氏は、ビルボードの記事に、自身の考えを公開している。「一つの要因としては、ドルが強かったことが挙げられます。(通貨の範囲に対して測定された)貿易加重為替レートは、2011年から2019年までに30%上昇しています」とペイジ氏は説明する。

 「また、世界第二位の音楽市場である日本は、過去4年間で規模を拡大しておらず、アメリカの優位性を後押しする形になっています。日本の録音原盤売上の70%近くは、依然としてCDから生まれていますが、COVID-19による小売店の閉鎖および流通の問題により、CD事業は苦戦しているため、米国は世界的なシェアをさらに伸ばす可能性があります」とペイジ氏は述べた。