2020年は、世界中で、ライブやツアーだけでなく、音楽フェスティバルも相次いで中止、延期となっている。イギリスで毎年開催されてきたグラストンベリー・フェスティバルもその一つだ。ただ、その空白を埋めるべく、グラストンベリー・フェスティバルでシャングリ・ラ・エリアを手がけるチームが、7月3日~4日に「Lost Horizon」と題されたVRイベントを開催することを発表した。
VRスタートアップであるSansarおよびVRJamと協力し、Carl Cox、Fatboy Slim、Seth Troxler、Coldcut、その他多数の英ドラムンベース・レーベルによるDJセット、そしてビジュアル・アートや、実際のシャングリ・ラのインスタレーションのVR再現を予定しているという。
Beatportを含むストリーミング・サービスのパートナーがこのイベントを配信し、SansarがVRのプラットフォームを提供するという。イベントは、登録することにより無料参加が可能だが、10ドルのプレミアム・チケットを購入すると、バーチャル・アイテムを手にいれることができ、さらに、アムネスティ・インターナショナルやビッグイシューに寄付することができるようになっている。
ベルギーのダンス・フェスティバルであるTomorrowlandも同様にデジタル開催に向けて舵を切っている。「Tomorrowland Around The World」は7月25日~26日に開催が予定されており、Afrojack、Alan Walker、Steve Aoki、David Guetta、Don Diablo、Martin Garrix、Tiëstoなどの出演が決まっている。
チケット価格は、デイ・チケットが12.50ユーロ、ウィークエンド・チケットが20ユーロ、ホームパーティー・チケットは50ユーロからなど、様々なチケットが用意されている。ちなみに、日本では、合同会社DMM.comがパートナーシップを締結し、国内スポンサー独占販売権を取得しており、一般向けにチケット販売も実施するという。
「最先端の映像技術を駆使し3Dに統合されたバーチャルマップを実現、8つ全てのステージを一つの壮大なエンターテイメントとして統合します」とDMM.comはプレスリリースで説明している。「また、新たなアイコンとなる『TOMORROWLAND』メインステージのお披露目や、ゲームやウェビナー、ファッション、食、ライフスタイルをテーマにしたワークショップまで、感性を刺激するありとあらゆる体験をご用意いたします。自宅のリビングやバルコニーが世界を熱狂させるステージとなる、これまでにない興奮、ステイホームで、ソーシャルディスタンスを守りながらお楽しみください。」
ダンス・フェスティバルは、コンピューター・アニメーション、特殊効果付きの動画プロダクション、本格的なバーチャル・リアリティ技術のブレンドによる模索を牽引する存在となっている。まだこれらイベントが経済的にどのような結果をもたらすかは定かではないが、少なくとも実験が早いペースで行われているのは良い兆候だと言えるだろう。