YouTubeには、Spotify for Artistsや、Apple Music for Artists、Amazon Music for Artistsなどが始まるずっと前から、ミュージシャンが利用可能なアナリティクス機能があった。

 YouTubeのアナリティクス機能は、世界中でファンが集中している場所はどこかというデータに基づいてツアーを組むなど、SoundCloudと並び、アーティストが利用できる初期ツールとなっていた。ただし、これまで、YouTubeのアナリティクスは、ミュージシャン専用の機能ではなく、全てのYouTuberおよびチャンネル所有者向けの万能型データ・ツールだった。

 そのYouTubeがついに、「YouTube Analytics for Artists」と呼ばれるミュージシャン向けのアナリティクス に注力し、「オーディエンス、世界的なリーチ、YouTube全体におけるパフォーマンスなどに関する、最も包括的で完全なデータ」を提供することを約束した。YouTube Studioのツールセットの一部だが、「公式アーティスト・チャンネル」を所有しているミュージシャンのみが利用可能になるという。

 新しい機能としては、自分が管理する動画だけでなく、ファンやYouTuberによってアップロードされた動画を含め、YouTube上でアーティストの音楽がどのように消費されているかを分析した、アーティストの「合計リーチ(Total Reach)」表示がある。

 また、「カタログ内の特定の楽曲向けに作成され、アーティストの楽曲音源のほとんどを含む」動画を全て見ることが可能な「楽曲の詳細(Song Detail)」という新機能もあるという。

 YouTubeはアーティストに対して、自身の音楽をフィーチャーしたユーザー生成動画の価値を認めるよう、促しているようだ。YouTubeのブログ投稿では、「ユーザーによって生成されたこれらのコンテンツは、あらゆる規模のアーティストにメリットをもたらし、YouTubeにおける公式コンテンツの視聴回数にほとんど比例しています」と主張されている。「平均して、YouTubeの上位1,000組のアーティストは、ユーザーが作成咲いた動画から、チャート対象となる再生数の20%以上を獲得しています。」

 こういったデータや、「表示回数、クリック数、オーディエンス統計、リテンションおよびエンゲージメント・データ」などは、リアルタイムで更新され、YouTubeのデスクトップ版バックエンドおよび、YouTube Studio Mobileのアプリから利用可能になるとのこと。