2020年は、欧州委員会の反トラスト法調査によってアップルの音楽事業が影響を受ける年となっているが、最新状況では、アマゾンとグーグルも同じく影響を受けることになりそうだ。
欧州委員会は、「音声アシスタントや、モバイル・デバイスを介して、離れた場所でもコントロール可能な、ネットワークに接続された消費者関連製品およびサービス」を中心とした「消費者IoT」に対して、反トラスト法調査を開始している。スマートスピーカー 、ウェアラブル、その他の「家電」などが対象だ。
調査が発表された際に、「この分野においては、大量のユーザーデータへのアクセスが、成功の鍵であると思われるため、我々は、市場プレーヤーが、そのようなデータを競争を歪めるために利用していないか、競合他社の妨害をしていないかを確認する必要があります」と欧州委員会副委員長であり、競争政策責任者のマーガレーテ・ヴェスタガー氏は説明している。
この手の全ての調査同様、今回の調査にも時間が要される。欧州委員会は、今後数週間で、関連会社に情報要求を送り、2021年春に予備レポートを、2022年夏に最終レポートを発行する予定となっている。
ロイターが指摘しているように、アマゾン、アップル、グーグルの製品およびサービス(特にスマートスピーカーと音声アシスタント)は、今回の調査の中心となっている。ヴェスタガー氏は今回の計画を発表する記者会見で、「この分野における強力な企業に、我々が彼らを監視していること、そして、彼らが競争ルールに沿って事業を行う必要があるという、重要なメッセージを送ることになる」と述べている。
今回の調査は、特にアップルに対する二つの個別の反トラスト法公式調査と並行して行われることになる。そのうち一つは、2019年に、Spotifyがアップルのデバイス・エコシステムおよび、App Store運営方法に対して、苦情を申請したことにより始まっている。恐らく、Spotifyは消費者IoTの調査に対しても、自社の見解を喜んで述べることになるだろう。