AI企業に対する音楽権利者からの大規模な訴訟はまだ見られませんが、文学界からは著名作家たちが対話型AI「ChatGPT」を開発するOpenAIを訴え始めています。
ニューヨークの連邦裁判所で、「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズの著者であるジョージ・R・R・マーティンや、ジョン・グリシャム、ジョディ・ピコー、ジョナサン・フランゼンなど、17名の著名な作家と、業界団体である全米作家協会 (The Authors Guild)は、「大規模な組織的な盗用」を理由に、OpenAIを訴訟を起こしました。
起訴内容には、OpenAIが「許可や対価も無く、原告の著作をコピーし、そのコンテンツを大規模言語モデルの学習に使用した」ことを主張します。この大規模言語モデルは、ChatGPTなどのツールにデータを供給しています。
また、サンフランシスコでも、同様の訴訟が起きています。
同市の連邦裁判所では、SF作家のマイケル・シェイボン、劇作家のデイヴィッド・ヘンリー・ウォン、ジャーナリストのレイチェル・ルイーズ・スナイダーなどが、OpenAIに対して「文学的著作物を無許可かつ違法で使用し多額の利益を得ている」と主張し、提訴しました。
作家達の訴えは共通しています。どちらの訴訟でも、OpenAIが著作権で保護された書籍やテキストを無許可で使用していることが論点になっています。
訴状によれば、OpenAIは「パブリックドメインの作品を大規模言語モデルの学習に使用することもできたはずです。著作権で保護された作品を使用するために合理的なライセンス料を支払うこともできたはずです」と主張します。