アーティストや楽曲を絡めたポッドキャスト番組の制作が増えています。主にこのトレンドで議論されてきたのは、原盤利用をどうするかであったり楽曲利用に関する話題が多くありました。ユニバーサルミュージック・パブリッシング・グループ (UMPG)は、音楽出版社の視点で、ポッドキャストにいち早く取り組む動きを見せています。UMPGは、ロサンゼルスに本社を置くポッドキャスト制作会社「Audio Up Media」と出版契約を結び、オリジナルの音楽ポッドキャスト番組を作るためのソングライターの発掘と契約を始めます。
Audio Upは、音楽ポッドキャスト番組制作ですでに実績あるスタートアップです。これまでに、マシン・ガン・ケリーの「Halloween in Hell」、24kGoldn とイアン・ディオールの「Strawberry Spring」などアーティストをフィーチャーした番組を制作しており、ユニバーサルミュージックやブルーノート・レコード、ソニーミュージック、BMGなどがパートナーに名を連ねています。Audio Upでは、制作するポッドキャスト番組用にオリジナルの楽曲を制作して利用するビジネスも行っています。UMPGは現在、アデルやテイラー・スウィフト、ハリー・スタイルズ、U2、J・バルヴィン、バッドバニー、ライオネル・リッチーなど多数のソングライターと契約しています。
契約についてAudio Upの創業者でCEOの”ジングル”ジャレッド・ガットスタットは「私たちのユニークな戦略は、ティン・パン・アレー方式です。コンテンツと完全に統合されたオリジナルの音楽制作力を、私たちが提供できることです。この戦略を活性化し、Audio Upとの連携に加えて、ユニバーサル・ミュージック・パブリッシングの中で連携できる次世代のソングライターと契約することを楽しみにしています」と述べています。
気になるのは、ソングライターや音楽出版社がポッドキャスト番組から得るロイヤリティ収入で、今後この領域で楽曲制作を手掛ける人々への収益分配が改善されるか否か、注目されます。