世界で最も影響力あるeスポーツチームで、コンテンツクリエイターのマネジメント会社「FaZe Clan」(フェイズ・クラン)が、ゲームやメディア・コンテンツ制作に次いで、音楽にも進出してきました。2010年創設のFaZe Clanは、所属する個々のゲーマーやコンテンツクリエイターもSNSで高い人気を誇っています。YouTubeチャンネル登録数は850万人以上、TikTokアカウントのフォロワーは600万人を超えるなど、巨大なプレゼンスをSNSとオンライン、オフラインで獲得してきました。
今回FaZe Clanは、音楽制作とゲーム配信のハイブリッドな活動を行うインディーアーティストでプロデューサーのKaysanとアーティスト契約を結びました。今後はFaZe Kaysan名義で活動を続けていくことが発表され、新曲「Made a Way」をFaZe Clanからリリースしました。同曲のミュージックビデオにはFaZe Clanのメンバーが制作に加わっています。KaysanはTwitchで『Call of Duty: Warzone』『Grand Theft Auto』『NBA 2K』などのゲーム配信を行うゲーマーです。SNSで圧倒的な波及効果を持つFaZe Clanに加わることで、アーティストは従来のレーベルが提案する契約と異なり、自由かつ独自のマーケティングやプロモーションを行うことができ、活動の幅や選択肢も広げられます。eスポーツ、ゲーム、コミュニティ育成、ブランドパートナーシップですでに実績を持つマネジメント会社との契約において、音楽以外のジャンルへクロスオーバーしてリーチすることも期待できます。
FaZe Clanのようなゲーマー、クリエイターマネジメント会社がインディーアーティストを獲得し始めれば、ゲームカルチャーと音楽ビジネスの垣根がさらに低くなる可能性も生まれます。KaysanのようにTikTokやYouTube、Twitchなどでゲーム配信を行うアーティストのハイブリッドなクリエイターから、旧来のアーティスト契約と異なる契約形態での配信やマネジメントを受ける人も増えていくことが予想されます。