日本人アーティストの楽曲が、世界で再生され、リスナーやファンとのエンゲージメントを高め続けるために注目される領域は、歌詞データの活用です。歌詞の翻訳、SNSコンテンツへのライセンスなど、DSP内外でいかに歌詞を利用したコンテンツを増やし、収益拡大することは業界課題の一つです。
歌詞データ管理の世界大手「LyricFind」が、創立20周年を迎えました。LyricFindは、世界中の音楽業界や音楽出版社、歌詞権利者に対して、歌詞の収益化を実現してきました。現在、同社は、世界60000以上の音楽出版社と契約を結んでおり、20万以上の楽曲カタログの歌詞ライセンスを管理しています。TikTok Music、Amazon Music、Google、Xperi、YouTube Music、Pandora、Deezerなど、世界で主要なDSP各社とパートナーシップを結んでいます。
LyricFindは、これまでに、さまざまなサービスやメディアと提携し、歌詞のライセンスとデータ活用を行ってきました。例えば、2015年からは米国ビルボードと提携し、LyricFind U.S.およびLyricFindグローバルチャートを毎週公開しています。またグーグルの検索結果に歌詞の表示も始めました。
日本の音楽業界に関係する技術としては、同社は歌詞の翻訳サービスを提供しており、日本語翻訳を含む8カ国語に対応しています。2023年には、同社で行った歌詞翻訳数が100万件を突破しました。また、2023年には動画生成サービス「Rotor Videos」を買収。リリックビデオやSpotify Canvas動画、Apple Motion Art、SNS用のショート動画生成を効率化するためのツールとして、アーティストやレーベルに提供しています。近年、LyricFindは、リリックビデオ生成用の技術やツール群を強化してきました。同社のLyric Videosツールは、レーベルやディストリビューターから、DIYアーティストにまで対応しています。