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日本のレコード会社や音楽業界でも、「ヨーロッパの音楽市場」と聞くと、イギリスやドイツ、フランスなど、従来の音楽消費国をイメージする人は多くのではないでしょうか? 一方、中央・東ヨーロッパの市場は、西側と比べて、再生や売上が少ない、などの理由で、それほど注目されてきませんでした (これら以外にも多くありますが)。

その中央・東ヨーロッパで、市場シェア拡大を狙っているのは、ワーナーミュージック・グループと、音楽ディストリビューターのBelieveです。ワーナーミュージック・サウスイースト・ヨーロッパ (WM SEE)は先日、同地域に特化した新レーベル「ワーナーミュージック・バルカン」を立ち上げました。レーベルは、WM SEEと地元のインディペンデント・レーベルとのジョイントベンチャーとして設立され、クロアチアの「Dancing Bear」、セルビアの「Mascom」、スロベニアの「NIKA」の3レーベルが参画します。同レーベルでは、クロアチア、セルビア、スロベニア、アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、北マケドニアを含む東南ヨーロッパ、バルカン半島全体に活動を注力し、アーティストの発掘と契約、新人育成、ワーナーミュージックのグローバルネットワークを活用したマーケティング、ディストリビューション・アーティストサービス「ADA」との連携を行っていきます。

Believeは、中央・東ヨーロッパ最大のインディペンデント音楽企業である、ルーマニアの「Global Records」の株式25%を取得して、戦略的関係を強化しました。Global Recordsは、ルーマニア、ドイツ、アメリカに拠点を置くダンスミュージック・レーベルで、2023年だけで、楽曲再生数は60億回以上。これまでのカタログ楽曲累計再生数は全世界で200億回以上も再生されています。Global Recordsは2016年からBelieveと契約して、同社のサービスを活用して、活動地域の拡大や、カタログ楽曲の再生増加に注力してきました。

image: Matthias Mullie via Unsplash