中国の音楽ストリーミングの世界で大きな動きがあった。テクノロジー大手のアリババが、NetEase Cloud Musicの株式を20%取得するという。NetEase Cloud Musicの親会社であるNetEaseへの20億ドル(約2,151億円)規模の投資の一環とのこと。
ミュージック・ビジネス・ワールドワイドは、この取引により、NetEase Cloud Musicの企業価値は90億ドル(約9,678億円)近くにもなる可能性があると示唆している。競合であるテンセント・ミュージックの企業価値の半分以下ではあるが、6億ドル(約645億円)の資金調達に成功した2018年時点での評価額35億ドル(約3,764億円)から考えると大きなステップアップだと言えるだろう。
アリババには独自の音楽子会社であるアリ・ミュージック・グループがあり、ストリーミング・サービスXiamiも運営している。アリババとNetEaseは昨年、それまでは独占だったカタログの一部を共有するためのパートナーシップを締結している。
今回の動きに関しては、様々な報道が出ている。例えば、ニュースサイトのEqualOceanは、アリババのNetEase Cloud Musicへのより詳しい投資額は7億ドル(約753億円)で、NetEaseのEコマース・プラットフォームであるKaolaの20億ドル(約2,151億円)での買収とは別物であると報道している。
NetEase Cloud Musicは、登録ユーザー数が8億人存在すると主張しているが、そのうち何人がアクティブ・ユーザーであるかは公開していない。中国ニュースサイトのcnBetaによる最近のレポートでは、NetEase Cloud Musicのアクティブ・ユーザーは1億1,000万人いると示唆されたが、単一のソースによる情報であるため、注意が必要だろう。
8月中旬に発表されたテンセント・ミュージックの決算報告では、同社が中国で運営する3つのストリーミング・プラットフォームにおけるアクティブ・ユーザー数の合計は、6月末時点で6億5,200万人、うち3,100万人が有料会員だったことが明かされている。