Amazon Musicは、今後導入予定の新しいロイヤリティ収益分配の方式によって、多くのインディペンデントアーティストやレーベルは、以前よりも多くの収益を得られると、説明しています。しかし、6000社以上のインディーレーベルや音楽企業が加盟する音楽業界団体「IMPALA」(Independent Music Companies Association)は、Amazon Musicの主張に反論を繰り広げています。

同団体の代表を務めるヘレン・スミス (Helen Smith)は、Amazon Musicに採用された新たな収益分配モデルは、2024年12月にユニバーサル ミュージック グループとの間で締結されたライセンス契約によって採用された、UMGが提唱する「ストリーミング2.0戦略」と「アーティスト中心モデル」(アーティスト・セントリック・モデル)が基準になっていることに懸念を示しました。Amazon Musicとの契約更新するインディーレーベルや音楽企業は、楽曲を収益化するために最低再生数である基準閾値を満たすことが条件として求められるようになっています。IMPALAによれば、一部のレーベルでは自社楽曲の約70%が一夜にして収益化の対象外になり、甚大な影響が生まれていると主張しました。

Amazon Musicは、新たに採用した収益分配モデルの詳細を公開していません。収益化の対象となる最低再生数の基準は、DeezerやSpotifyがすでに導入しています。これらの基準では、月間再生数やリスナー数に最低基準が設けられます。例えば、Spotifyでは、直近12カ月間の再生数が1000回未満の楽曲には、収益分配の対象から外れるという変更を行いました。IMPALAによれば、Amazon Musicも、Spotifyと同様に、最低再生数が未達な楽曲に対して、完全な収益化停止の方針を採用した可能性があります。アーティストやレーベルへの支払いにおいて、再生数の最低基準を既に採用しているSpotifyは、「プロのアーティストやプロを目指すクリエイターへの支払いを改善し、ストリーミングの不正利用を防止するための処置」と変更の狙いを主張しています

こうした指摘に対して、Amazon MusicはMusic Allyの問い合わせに回答し、収益化ルールの変更を養護しています。「私たちは、多様で活気ある音楽市場を実現するには、アーティストが音楽制作を通じて生計を立てる機会を得るべきと信じています。今回のロイヤリティ分配モデルの変更は、インディペンデント・アーティストやレーベルを含む全てのアーティストが、ストリーミングから収益を得られる機会を確保することを目的としています。多くのインディペンデント・アーティストやレーベルは、ロイヤリティ分配の増加が見込まれます。Amazon Musicは、インディペンデントな音楽領域を積極的に支援し、音楽業界全体が健全かつ持続可能な成長を実現できるよう貢献していきます」と同社のスポークスパーソンは述べました。

これらのメジャーレーベル主導のライセンス契約更新や、DSPの収益分配の条件が変更される現状が、将来的にインディペンデントアーティストやインディーレーベルに不公平な収益化や影響が及ぶ懸念が広がっています。例えば、音楽キャリアの初期段階にある新人アーティストや若手アーティストが、ストリーミングから収益化しにくくなるなどの指摘も上がっています。また、DSPが収益分配モデルを変更する前に、インディペンデント音楽業界と事前に協議をしなかったことや、将来的に最低再生数など収益化の基準が段階的に引上げられるリスクがあることなど、業界団体側からは強い懸念が示されています。