2018年9月にアップルが買収した音楽識別アプリのShazamからのデータに基づいた、新しい週間チャートがApple Musicに追加された。チャートの名前は「Shazam Discovery Top 50」で、Shazamのユーザーがその週にタグ付けしたものに基づき、「最新アーティストによる新進気鋭の曲」をランク付けするグローバル・チャートとなっている。チャートは毎週木曜日に更新され、ユーザーはプレイリストをフルで再生したり、楽曲を閲覧したりすることが可能となっている。

ただ、「グローバル」とは言っても、チャートは現在のところ、イギリス、アメリカ、ブラジル、メキシコ、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシアの11カ国のデータに基づいた結果となっている。アップルは、「すぐに」より多くの国をデータに反映するようにしていくと発表している。

このチャートは、Shazamにおいて最も人気のある50曲をまとめたものではない。アップルは発表で、チャート作成に用いられている方法論について詳しく説明している。

「ランク付けされた曲は全て、それぞれのライフサイクルの様々な地点にあり、チャートに現れるアーティストのほとんどは新興の新進気鋭アーティストです。すべてのアーティストが、将来的にShazamのチャートの上位まで上り詰める可能性を秘めるレベルの勢いを経験しており、Shazamのチャートを素早く上昇しているか、素早く、着実に、または、地理的に成長しているかのどちらか、または全てに当てはまります。」

Shazamのデータを使用して次のヒット曲「予想」を提供するチャートは「Shazam Discovery Top 50」だけかもしれないが、Apple Musicの競合も独自の方法でブレイクしそうなアーティストのランク付けを行なっている。

例えば、Spotifyは「Global Viral 50」に加えて、66カ国のローカル版のチャートも公開している。また、リスナーや外部ブログからのデータを参考に作成されたプレイリストの一つには、「Fresh Finds」もあり、約69万人にフォローされている。

新しいアーティストを早期に発見することを誇りとしているSoundCloudにも、「New & Hot」チャートが存在する。また、ローリング・ストーンが最近ローンチした音楽チャートの二つもブレイクしそうな楽曲にフォーカスを当てている。週間ストリーミング再生の成長率に基づいて楽曲をランク付けする「Trending 25」と、チャートに初めて登場したアーティストにフォーカスした「Breakthrough 25」というプレイリストだ。

これらのチャートにはもちろん、クロスオーバーしている部分もある。例えば、Li Teccaの「Random」という曲はApple Musicの新しいShazamチャートにおいて6位を記録しているが、SoundCloudの「New & Hot」チャートではすでに1位となっている。また、Tones and Iの「Dance Monkey」という曲は「Shazam Discovery Top 50」では3位となっているが、Spotifyの「Global Viral 50」では2位、ローリング・ストーンの「Trending 25」では10位となっている。