メジャー・レーベルの決算報告は、多くのメディアで取り上げられるが、ストリーミング時代において、インディペンデント・レーベルも同様の成長を遂げているのだろうか?世界最大のインディー・レーベルとして知られるベガーズ・グループが発表した最新の2018年度統計にいくつか有用なデータがある。
合同事業(Matador Records、XL Recordings、Remote Control Recordsなど)のシェアを含む、ベガーズ・グループの総収益は、前年同期比1.1%増の7,420万ポンド(約98億円)となったという。これらの合同事業からの収益を引くと、ベガーズ・グループの売上高は前年同期比5.6%増となる4,060万ポンド(約54億円)となった。売上原価が2017年の1,560万ポンド(約21億円)から2018年の870万ポンド(約11億円)に下がった期間、ベガーズ・グループの純利益は、前年同期比51.5%増という驚異的な成長を見せ、1,060万ポンド(14億円)となった。
「ストリーミング有料会員数の成長が急速に進んでおり、我々の音楽も市場の動きに沿って成長してきました。最近のリリースだけでなく、弊社のカタログ全体が、この現象の恩恵を受けています」とベガーズ・グループは説明している。さらに、発展途上国市場ストリーミングの成長、アメリカにおける「大成功」、ヨーロッパやオーストラレーシアにおける引き続きの好調についても強調した。
ベガーズグループがインディーズのライセンス団体であるマーリンがSpotifyで株式を売却したことによる恩恵をベガーズ・グループがどのように分配したかについても記載されている。
「これらの収益のうち50%を、我々の過去と現在すべてのアーティストに割り当てました。損失の取り戻しを考慮し、44%を現金で支払いました。他社には、これらの収益を損失の取り戻しに関わらず、アーティストのロイヤリティ率に基づいて分配しているところもあったようですが、これでは、我々よりも遥かに低い割合で支払いを行なっていたことになるでしょう。」とベガーズ・グループは説明している。