2018年における世界の録音原盤業界の価値が191億ドル(約2兆1,001億円)であったことを考えると、中国首都の北京政府による、北京の音楽産業だけで2025年までに170億ドル(約1兆8,690億円)の価値を目指すという試みは、かなり野心的であるように思える。しかし、実際、北京政府はこれを目標としている(ちなみに、これは、ライブを含む音楽および、観光などのあらゆる種類の関連産業からの収益を考慮した数値だ)。
ライブ音楽ビジネスの国際的ニュースを発信するIQ誌によると、北京政府は、これらの収益は2017年時点で既に86億ドル(約9,455億円)あったと考えているという。ここで重要となるのは、地元の音楽業界への投資を促すという北京政府による意図だ。北京政府が「より小規模なサイズのライブ会場を建築し、アーティス向けにより良い著作権保護を提供し、デジタル音楽産業の発展を促進する」予定であるとIQ誌は報道している。
北京政府のこうした取り組みは、国内外のミュージシャンに機会をもたらすことが予測されるが、世界的なレーベルは、AI音楽の作曲テクノロジーにも投資する意欲を見せている北京当局に、より慎重な姿勢を示すかもしれない。