調査会社のBuzzAngleが、2018年における米国の音楽消費に関する年末レポートを発表した。売上枚数とストリーミング再生回数を合わせた消費の成長率は、2017年には前年比12.8%増だったのが、2018年には前年比16.2%増となった。米国においても、イギリスと同じく、ストリーミングが成長の主な推進力となっている。

BuzzAngleによると、オンデマンドの楽曲ストリーミング消費が全体の成長を引き続き加速させており、ストリーミング再生回数は前年の3,769億回から41.8%増となる5,346億回となったという。音楽と動画を合わせれば、2018年におけるオンデマンドのストリーミング再生回数は、8,090億回を上回ったとのこと。さらに、2018年の最終四半期には、楽曲ストリーミング再生の85%がサブスクリプション登録者によるものだったという。

アルバム売上枚数は18.2%減少、楽曲ごとの売上も28.8%減少したとのこと。また、BuzzAngleによると、2018年、アメリカではミュージック・ビデオのオンデマンド・ストリーミング再生が前年比24.3%増の2,749回あったという。この数字から考えると、楽曲ストリーミング再生回数の成長(41.8%)は、ミュージックビデオの成長(24.3%)の早さをも上回っているということになる。

調査会社のニールセンも、アメリカ国内における音楽消費に関する報告を発表した。ニールセンによると、オンデマンドのオーディオ・ストリーミング再生回数が49%成長したことにより、トータルでのアルバム相当単位での消費は2018年アメリカ国内で前年比23%増となったという。

BuzzAngleが発表した、オンデマンドストリーミング再生回数(41.8%)とトータルの消費(16.2%)の成長率と比べると、それよりも大きく成長したということになる。また、ニールセンは、2018年、米国では6,110億回のオンデマンド楽曲ストリーミング再生があったとしており、こちらもBuzzAngleの5346億回よりも多くなっている。この差については、今後追及されるものと考えられる。

ニールセンはYouTubeなどの動画が加算されると、2018年における米国のオンデマンドの楽曲ストリーミング再生回数の合計は9,000億回を超えると推計している。