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ディズニーは、動画ストリーミングサービスのDisney+、Hulu、ESPN+の業績が好調で、利益を上げ始めています。

この増益は、新規のサブスクリプション利用者の獲得と、広告プランからの売上増加によって、支えられています。

その一方、Disney+では、ユーザーあたり年間収益 (ARPU)は減少傾向になります。

そのため、ディズニーは、ストリーミングビジネスをさらに成長させるため、Netflixが実践したパスワード共有の取り締まりを9月から実施する予定です。

ARPUの減少は、主要な音楽DSPの間でも、減少しています。DSP大手各社は、過去数年間で、日本を含めて、世界各地で、月額料金の値上げを複数回に渡り実施してきました。

音楽DSPは、値上げにも慎重な姿勢を示しています。しかし、高い収益を上げ、成長を伸ばし続けるように、メジャーレコード会社や投資家など、様々な方面からのプレッシャーに晒されています。

音楽サービスと比べて、動画ストリーミング各社は、よりアグレッシブな戦略を実施してきました。

広告プランを導入し、サブスクリプション以外の選択肢を増やしてきました。そうした中での最近のトレンドは、パスワード共有の規制です。

音楽DSPが、ユーザーのパスワード共有を規制するのか? に対しては、論議を呼びそうです。

Netflixが実施したパスワード共有の制限は、ストリーミング業界における成功事例の一つです。追随する他社動画サービスも、今後登場するでしょう。その影響から考えると、音楽DSPも、この業界トレンドを考慮する可能性もあるかもしれません。

パスワード共有の取り締まりは、サブスクリプション利用者からの売上を高め、収益を最大化するための手段の一つとして、効果が見込めます。ただし、実行するには、慎重な対応が求められています。

メジャーレコード会社は、音楽DSPからより多くの収益を求めています。しかし、仮に音楽DSPがパスワード共有を規制した場合、若年層や子供たちがファミリープランから外れた場合、これらの利用者が、自らサブスクリプションに加入するかどうかは、疑問です。

Z世代は、経済的な理由で、支出を抑える傾向があります。そのため、サブスクリプションを利用する強い理由がなければ、広告付きの無料プランを選ぶこともできたり、YouTubeyTikTokなど無料で音楽を再生する可能性もあります。

これまでも音楽DSPは、様々な方法で、サブスクリプション利用を促してきましたが、サービス運営側が危惧するのは、既存利用者の離脱です。

そのため、音楽DSPは、パスワード共有の規制には慎重になることも理解できます。また、規制の対象や、実施する国の選定も、注意が必要になるでしょう。