メディアコンサルティング会社のMIDiA Researchは、2031年までのグローバル音楽市場の成長予測レポートの最新版を公開しました。同社は、原盤音楽市場は、世界的に成長が続き、2031年までに全世界で小売価格ベースで1,000億ドルに達すると予測しました。市場の収入源は、多様化が進むと予想されます。現在の業界で主要であるストリーミングへの依存が緩和され、拡張権利ビジネスや、非DSPからの収入などが、売上増加に貢献すると見られています。
MIDiAは、2031年までの成長の要因には、グローバルサウス音楽市場の成長を挙げます。そして、中国は、2031年までに世界第2位の原盤音楽市場になると、同社は述べます。同国は、急激にサブスクリプション利用者を伸ばしているため、世界的な音楽市場では、重要な市場になると予想されます。レポートによれば、中国は、2023年には前年よりも多くのサブスク利用者を獲得し、アジア太平洋地域のサブスク利用者の3分の2以上を占めるまで急成長しました
また、グローバルサウス市場は世界的なシェアを拡大していくと予想されます。兆しとしては挙げているのは、アジア太平洋地域の伸びです。2023年、全世界で新たに獲得した新規サブスクリプション利用者の約半数が、同地域で生まれました。
反対に、日本は、2023年に獲得した新規サブスクリプション利用者が2022年の半分以下に留まる低調で、またインドも業界の期待値を下回った、と、同社は報告しています。
一方で、今後も、米国を中心に、欧米各国の音楽市場は、高いARPU (1ユーザーあたりの平均収益)を持続し、サブスクリプション収益を伸ばすことで、世界をリードしていくと予想されます。
MIDiAの予測では、2027年までに世界の音楽サブスクリプション利用者数は10億人を突破し、成長が続くと予想します。2023年の時点で、世界のサブスクリプション利用者数は7億3790万人に達しました。