音楽AIスタートアップの「Hooky」(フーキー)が、正式にサービス提供を始めました。同社は、アーティストやクリエイターに対して、他のアーティストの音声サンプルから合成音声を作成し、楽曲を制作、ライセンスできるサブスクリプションプラットフォームを立ち上げました。
ジェイ・ショーン、エリック・ベリンジャー、Bonnie x Clyde、Chase Paves、サラ・フィリップスなどのアーティストの音声AIモデルが立ち上げ時に利用可能です。加えて、Hookyが独自に開発したバーチャルアーティストの音声も含まれています。今後、さらに多くのアーティストの音声が追加される予定です。
登録は無料ですが、利用にはサブスクリプションが必要で、月額9.99ドル、24.99ドル、49.99ドルと機能に応じたプランを選べます。
アーティストの音声を使用して制作された楽曲は、Hookyを通じて、ライセンス許諾処理、収益のスプリットが可能です。Hooky独自のバーチャルアーティスト「Talkbox」の音声モデルは、ライセンスフリーで無料利用できます。
今後、Hookyで制作した楽曲をDSPへ配信できる、ディストリビューション機能も追加予定です。
音声AIモデルを使用した楽曲は、配信先のストリーミングサービスの画面上で、アーティストの名前の横に「AI」のラベルが表示されるようクレジット表示が設定されています。これにより、リスナーは、生成AIを用いて制作された音楽であることを認識できます。
Hookyは、2023年11月、アメリカ人インディペンデント・アーティストのLauvが、世界で初めて、生成AIを活用して自身の音声AIモデルを開発して、シングル「Love U Like That」を韓国語歌詞に翻訳し、配信した際、AIモデルの開発をLauvと共同で行いました。
Lauvのシングル韓国語バージョンは、英語歌詞のアーティストが多言語に生成AIで翻訳して配信した、初めてのケースとして、実績を積んできました。
AI音声クローンの分野は、競合するスタートアップでひしめき合っています。Voice-Swap、CreateSafe、Myvox、Vocalist AI、Moisesなども、いずれも似た音声生成AIのサービスを提供しています。