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韓国の大手マネジメント会社のSM エンターテインメントに出資するKakaoは、独自のK-POPスーパーファン向けプラットフォーム「Berriz」(ベリズ)の開始を進めていると報じられました。2025年後半に正式ローンチするBerrizは、競合するHYBEのスーパーファン向けプラットフォーム「Weverse」への対抗策に位置付けられそうです。Kakaoはすでに、同アプリのテストを実施中です。

Kakaoは、HYBEと同様に音楽ビジネスにおいて、韓国内に留まらず、グローバルな展開を目指しています。2023年には北米事業をSMエンターテインメントと統合しました。積極的な海外戦略への投資によって、韓国以外の国でもアーティスト・ビジネスや新人育成、音楽配信、IPビジネス、コンテンツ戦略、企業連携などを強化することが狙いです。そして、Berrizの投入と、SMが展開する既存のK-POPスーパーファン・プラットフォーム「Bubble」を通じて、国内外のファンダム市場でのプレゼンスを強化することが予想されます。Berrizは、SMエンターテインメントのアーティストに限定されず、K-POPコンテンツ、さらにはウェブトゥーンやK-ドラマ、映画などを含む広範な韓国コンテンツを網羅したファンダム・プラットフォームを目指していると予想されます。

競合のHYBEが運営する「Weverse」は韓国以外のアーティストも参加するグローバル展開を強化してきました。2024年にはアーティストコミュニティの数は162に拡大しました。さらに、世界的なアーティストが参加したことで、Weverseユーザーの87%は韓国外のファンというグローバルな構成になっています。HYBEの戦略と同様に、KakaoもBerrizで韓国以外の国からアーティストの獲得を目指すプラットフォームへ入口を広げる可能性もあります。一方で、WeverseにはSM所属のアーティストも参加しているため、Berrizをどのようにアーティストが活用するかは注目されます。

韓国の音楽エンターテインメント企業は、従来のアルバム販売やライブツアーに依存していた既存のビジネスモデルから脱却して、新たな収益源の獲得を急ピッチで強化しています。その一環として、広範なポートフォリオを基に多様なコンテンツを提供し、ファンとアーティストが交流できるデジタル・プラットフォーム向けビジネスへシフトしています。K-POPやK-ドラマを中心とする韓国コンテンツは、グローバルな人気拡大に成功しており、これによって、スーパーファン向けプラットフォームの成長を加速させています。ファンダム・プラットフォームが今後、韓国エンターテインメントのグローバル展開と、収益化の成長を後押しする上での重要な役割を担うと予想されます。