韓国公正取引委員会(FTC)は、同国で音楽ストリーミングサービス「Melon」を運営する親会社のカカオが、K-POP事務所大手のSM Entertainmentの買収およびグループ会社化する取引を、条件付きで承認しました。
条件として、今後、カカオは、同社および関連会社が制作した音楽やコンテンツを、競合する全てのストリーミングプラットフォームへ平等に提供することが義務付けられます。その中には、SM Entertainmentのコンテンツや音楽も含まれています。
また、今後3年間、カカオの関連企業や、SM所属アーティストを優遇させないよう、Melonを監視するための独立機関の設置が命じられました。
2023年3月、カカオおよびカカオエンターテインメント (Melonの親会社)は、SMの株式39.87%を取得しました。これにより、カカオはSM最大の株主となりました。同年8月には、カカオとSMは、米国事業を活性化させるジョイント・ベンチャーの創設、音楽出版事業社のKreation Music Rightsの創設を発表し、グローバル戦略を強化してきました。
FTCは、カカオとSMの合併は、市場競争を制限する可能性がある、との懸念を示しました。具体的には、MelonでのSMコンテンツの独占配信、Melonのプロモーション機能を活用した、カカオ関連会社のコンテンツのより多くの露出、などが想定されました。
FTCによれば、Melonは、現在韓国では、音楽配信プラットフォームでは43.6%、音楽企画制作では13.3%の市場シェアを持ち、2800万人以上の会員を獲得しています。特に、ポップスに特化した場合、実質的な市場シェアは60%に増加しています。