大量のCDやアナログレコード、さらにはグッズ特典付きのパッケージなど、フィジカル音楽商品の過剰な大量販売に伴い、増加するプラスチック廃棄物を削減するため、より環境に優しいアプローチを導入するよう、韓国環境省はK-POP業界に対してガイドラインを提供する開始する予定です。

韓国では、現在、年間約1億ユニット以上のフィジカル音楽アルバムのパッケージが販売されており、2023年は韓国内だけで、前年から49%も大幅に増えて、1億1510万ユニットが購入されるほど、グッズとしてのアルバム人気が止まりません。アーティストイベントのチケットの獲得や、特典グッズの収集、アーティストのセールスチャートでの成功を後押しするなど「推し活」の一貫としてフィジカル・アルバムの購入が好まれる場合も多くあります。しかしその一方で、「写真カードやその他の特典アイテムを集めるために、アルバムを複数枚購入することを奨励するK-POP業界のマーケティング戦略に対する、政府の規制が存在しない」ことも問題として指摘されています。

韓国環境省は、文化体育観光省と協力して、韓国レコード産業協会 (RLIAK)のメンバー企業に対して、アルバム・パッケージの規制についてのコンサルティングを実施します。また、パッケージにおけるプラスチック使用を最小限に抑えるためのノウハウも提供する予定です。これにより、K-POP業界が、環境への負荷を減らす取り組みに積極的になることを期待されます。

グローバルK-POPファンが立ち上げたデジタル気候イニシアチブ「Kpop4Planet」によれば、エンタテインメント業界が実施するマーケティング戦略は、ファンの忠誠心を利用して、利益を最大化することが目的で、それがフィジカル・アルバムの大量生産と、プラスチック廃棄物の発生に繋がっている、と問題の根幹を指摘します。Kpop4Planetが2021年に実施した調査によると、95.6%の回答者が、K-POP業界における環境問題対策は、エンターテインメント企業が責任を負うべきだと答えています。

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