米国のレーベルを代表する業界団体「全米レコード協会」(RIAA)は、2024年上半期のラテン音楽売上レポートを発表しました。RIAAによれば、ラテン音楽は、米国の音楽市場で8%のシェアを占めるほどの、人気ジャンルであることが分かりました。
ラテン音楽の成長は、市場シェア以外でも見られます。同ジャンルの収益は、2024年上半期に前年比7.3%増加し、同ジャンルで過去最高となる6億8550万ドル (約1,021億円)に拡大しました。7.3%の成長率は、米国の音楽市場全体の成長率を3年連続で上回っており、ラテン音楽人気が堅調に拡大していることを示しています。
ラテン音楽が米国で成長している大きな要因は、サブスクリプションサービスからの収益化が原動力となっており、総収益の2/3を締めています。また、YouTubeやVevo、Spotify無料版、SNSアプリなど、無料ストリーミングサービスからの収益は、ラテン音楽収益の1/4を占め、前年から10%成長しました。デジタル音楽の内訳は、ストリーミング総売上が6.8%増の6億7000万ドル(約998億円)。サブスクリプションからの収益が6.4%増の4億6810万ドル(約698億円)。無料ストリーミングサービスからの収益が10.2%増の1億6600万ドル(約247億円)でした。
ストリーミングに加えて、フィジカル音楽の売上も好調でした。フィジカルはストリーミングと比較すると僅かな収益源ではありますが、強固なファンダムを示す領域でもあり、2年前と比較して、CD売上が21%増の170万ドル(約2.5億円)、アナログレコードの売上が21%増の730万ドル(約10.9億円)と伸びています。特に、アナログ人気がラテン音楽でも顕著になり始めたことは注目に値するでしょう。