音楽ストリーミングサービス同士で利用時間の競争が激化する中、今後の成長が期待される差別化要因の一つに、生成AIを活用した機能の提供がポイントとなり始めています。

Deezerは、生成AIを活用してプレイリストをカスタマイズできる「Playlist with AI」機能のベータテストを始めました。全世界のDeezer有料会員から無作為に選ばれた5%のユーザーが、新機能にアクセスできます。新機能は、ムードやジャンル、時代、活動を含むあらゆるキーワードを入力することで、最適なプレイリストをAIが生成します。

Playlist with AIは、Deezerが提供している既存のAI機能をさらに拡張させる取り組みで、ムードやジャンルに基づいたミックスを生成する「Flow」や、楽曲検索機能「SongCatcher」などと併せて、個人ユーザーの好みに最適な音楽体験を提供することが可能になります。

Spotifyも、今年4月、プレミアムユーザーを対象に、キーワード入力からプレイリストを生成AIが作成する「AI Playlist」機能のベータテストを始めました。YouTube Musicもまた、AIラジオを生成する機能のテストを展開しています。今後、ストリーミングサービスにおいて、キーワード入力やプロンプト入力で、プレイリストやラジオを生成する機能は標準化することも予想されます。差別化要因となるには、各社の音楽AIの精度の高さもさることながら、サービスのリスナーが求めるリクエストに合った音楽やプレイリストを生成できるかにも左右されます。