音楽向けにクラウドファンディング・サービスを展開するPledgeMusicが破産申請目前だと音楽ニュースサイトのHypebotが報じた。Hypebotによると、まだ買い手が付く可能性もあるが、現在のところ検討に止まっているという。

Hypebotは「イギリスを拠点にコーポレート・アドバイザリー業務を展開するFRPが、潜在的買い手と連絡を取り、PledgeMusicの資産を評価するよう命名されました。並行して、関心を持つ買い手はデュー・デリジェンス(※投資を行うにあたって、投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどを調査すること)を終了します」と報道している。

一週間以内に買い手がつかない場合、PledgeMusicは破産申請しなければならないだろうとのこと。また、「このプロセスは、PledgeMusiに残された資産の最大価値を決定するもので、売上金はアーティストや投資銀行のSword, Rowe & Company、その他の債権者への支払いに使用されるでしょう」とHypebotは付け加えている。

PledgeMusicの子会社であるNoisetradeは先週売却されており、PledgeMusicのアーティストに完全に支払われていないプロジェクト額は300万ドル以上にものぼるとみられている。破産申請に関して、PledgeMusicを使い、ファンに素晴らしいプロジェクトを届けられると信じていたアーティストに対して、どれほどの額が払われるかは定かではない。

もちろん、今後、事態が二転三転することもあるかもしれない。しかし結局、レーベルシステムの外に新たな商業的ルートを見つけたと信じていた多くのアーティストが突然足元をすくわれた結果になったことには変わりはない。

PledgeMusicの崩壊はあらゆる面で動揺させられるニュースだ。長期的に見ても、ファンがお気に入りのアーティストのプロジェクトを支援することに警戒するようになったり、ベンチャーキャピタルの世界で、クラウドファンディングのプラットフォームを築くこと自体有害だとする考えが生まれたりするかもしれず、今回の件がもたらしうる影響は計り知れない。クラウドファンディングで音楽をサポートするという概念自体を不可能にしてしまう可能性もあり、そうなれば、音楽業界全体にとっての大損失になるだろう。