調査会社のMidia Researchの最新レポートによると、世界的ストリーミング収益の成長率は、現在から2026年までの間で、毎年徐々に下がっていくという。しかし、2018年から2026年までの間に、ストリーミングの収益自体は二倍以上になるとのこと。

レポートでは、世界的なストリーミング消費は、2018年の196億ドル(約2兆1,649億円)から、2026年には453億ドル(約5兆3800億円)にまで成長するだろうと予測している。同時に、「2018年から先、ストリーミングの成長率は毎年鈍化していき、2018年の29%から、2026年には7%になるでしょう」とMidia Researchのマーク・マリガン氏は警告している。

「収益成長率の低下は、アメリカ、イギリス、スウェーデン、オランダ、オーストラリアなどのストリーミング先進国における市場の成熟を反映したものです。より長期的な成長は、ブラジルやメキシコ、インドなどの新興市場と、ドイツや日本などの主要ストリーミング後進国によってもたらされるでしょう」

さらに興味深いのは、今回のレポートが、貿易収入よりも、小売の数字に重点を置いていることだ。「貿易収入と小売収入の差は、現在から2026年までの間に拡大するでしょう。これは、多数の要因によるもので、ストリーミング・サービスは利益率を向上させ、結果、レーベル収益との間の格差が拡大することになるでしょう。」とマリガン氏は述べている。

そして、それらの要因として「出版関連における料率の上昇、音楽ではないコンテンツに支払われるロイヤリティ・シェアの増加、レーベルに属さない音楽コンテンツへ支払われるロイヤリティ・シェアの増加、将来的に見込まれる長期的なレーベル支払い率カット」などを挙げている。