調査会社のCanalysが、世界のスマートスピーカー市場について、最新レポートを発表した。レポートによると、中国テクノロジー企業バイドゥ(百度)のスマートスピーカー販売台数が、ついにグーグルを上回ったという。レポートは同時に、アメリカにおけるスマートスピーカーの出荷台数の減少についても触れている。
2019年第2四半期、世界的に出荷されたスマートスピーカー2,610万台のうち、バイドゥ製品は17.3%を占めたという。つまり、バイドゥは、およそ450万台のスマートスピーカーを出荷したことになる。
Canalysは、同期におけるグーグルのスマートスピーカーの出荷台数はおよそ430万台で、市場の16.7%のシェアだったと推定した。ちなみに、アマゾン製品の出荷台数はおよそ660万台で、25.4%の市場シェアとなり、トップの座を維持している。
一年前にCanalysが発表したレポートにあった、前年同期におけるバイドゥのスマートスピーカー販売台数がおよそ10万台程度だったことを考えると、一年間でのバイドゥの成長が凄まじいことがわかるだろう。
また、Canalysは、アマゾンのスマートスピーカー出荷台数が前年同期比61.1%増となったのに対し、グーグルは19.8%減となったと推定している。グーグルはSpotifyと組んで、サービスに登録した人にグーグルのスマートスピーカーをプレゼントする企画も行なっていたが、この数字が今回の統計に含まれているかどうかは明らかとなっていない。
さらに、2019年第2四半期、中国におけるスマートスピーカーの出荷台数は、1,260万台に倍増した一方で、アメリカにおける出荷台数は同期間で2.4%減となる610万台となったという。アマゾンやグーグルはそれぞれ、製造するスマートスピーカーの50%と55%を米国以外の国に出荷しているため、両社にとっては、それほど問題とはならないかもしれない。
しかし、世界最大のスマートスピーカー市場であるアメリカで、すでに販売台数が失速しているというのは、スマートスピーカーがもたらしうる影響についての音楽業界内の興奮を考えると、若干懸念すべき点ではある。しかし、今回の統計は、一時的なものになる可能性も高く、2019年最終四半期に向けて、新たな製品群が発表されるにつれ、米国での売り上げが復活することも考えられるだろう。