ソニー・ミュージックエンタテインメントは、アフリカ最大の音楽サブスクリプションサービス「Boomplay」で、カタログ楽曲の配信を停止する決定を下しました。この原因として、Boomplay側の「ロイヤリティ料未払い」があると報じられました。配信を停止したカタログ楽曲には、ソニー・ミュージックが運営するディストリビューター兼レーベルサービスのThe OrchardとAWALの楽曲も含まれます。ソニー・ミュージックとBoomplay間の問題の詳細は明らかにされていません。

関係者の情報によれば、Boomplayのロイヤリティ料未払いは、ソニーミュージック以外の他のレーベルやディストリビューターでも停止しており、2023年4月以降、ロイヤリティ料の分配や報告が行われていないと言われています。幾つかのディストリビューターは、Boomplayには2021年まで遡る未払い金があると主張しています。これらの理由から、今後さらに多くのレーベルやディストリビューターが、楽曲をBoomplayから引き上げる可能性も示唆されています。Music in Africaによれば、Boomplayは最近、メジャーレーベルとロイヤリティ料率の再交渉を始めたとのことです。

Boomplayは、2015年の設立以来、急成長するアフリカ地域の音楽市場において、ローカル音楽のカタログ楽曲の配信を軸に、トップサービスの地位を獲得してきました。2023年の時点で月間アクティブユーザー数は9500万人以上まで成長しています。2018年からは、ユニバーサル ミュージック、ソニー・ミュージック、ワーナーミュージックと、メジャーレコード会社とライセンス契約を更新してきました。また2021年には、Merlinともライセンス契約で合意しました。

Boomplayを運営しているのは、中国のモバイルフォンメーカーの伝音科技 (Transsion)と、NetEaseが設立した合弁会社のTranssnet Musicです。2024年11月に、Boomplayの責任者だったPhil Choiが退職し、ワーナーミュージックのAPAC地域事業開発の責任者に就任しています。また、2024年には、Boomplayは各地の拠点で人員削減を進め、コスト削減に注力してきました。