
世界最大のチケット販売サービス、ライブ・ネイションの社長兼CEOのマイケル・ラピーノ (Michael Rapino)は、同社がSpotify、Apple、Amazonの3社と、スーパーファン向けのサブスクリプション・プランで主要な特典となるチケットの先行販売の実施に向けて交渉を進めていることを明らかにしました。先日、複数のメディアは、Spotifyがアーティストのスーパーファン向けの新たなサブスクリプション「Music Pro」プランの開発を進めており、年内にローンチ予定があることを報じました。Music Proプランには、コンサートチケットの先行購入アクセスが、機能の一つとして含まれる予定です。
ラピーノは、先日行ったライブ・ネイションの決算説明会で、スーパープレミアムプランについて質問された際、次のように発言しました「私たちは3社 (Spotify、Apple、Amazon)と協力を進め、双方にとって最適なモデルを模索しています。他の企業とも交渉を進める可能性があります」
「私たちの仕事は、アーティストから提供されたチケットの在庫を活用して、スポンサーシップや先行販売プログラムを通じて、利益を最大化することです。現在もVerizonやCitibankなどと連携して、多くのチケット先行販売を展開しています」
「最近、Spotify、Apple、Amazonの3社から、チケット在庫の確保について、問い合わせがありました。在庫を持つ場合、コストが伴います。非常に価値ある資産である既存の先行販売プログラムと比較して、どの選択肢が最適化を検討します」
「最終的な決定権はアーティスト自身が持っています。私たちはアーティストのために取引を実行しますが、最終的にはアーティストが管理し、チケットからの収益を最大化するのです。無料で提供するようなことはしません。私たちが誰と提携し、スポンサーを見つける場合や、私たちが支払う場合も、これは価値があることなのです」
「もし、彼ら (DSP)が月額サブスクリプションに5ドルのプレミアムを追加しようとしても、作品数や無料楽曲など独自の特典が不足していても、私は驚きません。その場合、最も手っ取り早い手段は『チケットの先行販売の提供』になります。先行販売で難しいのは、規模を拡大することです。誰もがビヨンセのチケットを先行販売で入手することを望んでいます。拡大することは困難です」
ラピーノの発言から、少なくともSpotify、Apple、AmazonのDSP3社が、スーパーファン向けのプレミアム・サブスクリプションの検討を進めており、チケットの先行販売を特典と捉えていることがわかってきました。Spotifyが予定するMusic Proプランには、先日、ユニバーサル ミュージック グループとワーナーミュージック・グループのメジャー2社が同社とライセンス契約を更新したことで、メジャーレーベルの参加に注目が高まります。ソニーミュージックとMerlinとの契約更新は未だ発表されていません。
音楽消費額の高いスーパーファンやファンダムからの収益増加を画策する上で、Spotify、Apple、Amazonのスーパープレミアムプランがどのような特典や機能で実現するのか、今後の大きな焦点になりそうです。また、スーパーファンがこれらの特典を価値ある特典と捉えるかも重要な論点になっていきます。しかし、チケットの在庫に限りがある現状のライブ市場において、既に飽和状態にあるチケット先行販売の領域に、SpotifyやApple、Amazonといった新たな企業が参入し、ファンが求めるチケットを確保するまでは時間を擁する可能性もあります。