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Spotifyは先日、「Loud & Clear」レポートの最新版を公開し、アーティストの収益分配と国別データを報告しています。その中でも、特に興味深いテーマは、音楽輸出に関するデータと、その収益構造です。

Spotify Indiaのデータによれば、2024年にインドで支払われたアーティストの収益分配の約50%は、インド国外から発生しており、海外リスナーによる再生によるものでした。この比率は、2023年の40%からさらに増加しており、海外でのインド音楽の成功を物語っています。音楽輸出に関して、Spotifyは、インドの非映画音楽の成長に注目しています。2024年は、インドから海外輸出された楽曲トップ30の65%以上が非映画音楽で占められており、これはインディペンデント・アーティストの人気が高まっていることや、映画音楽依存だったインド国内の収益構造の進化を示しています。特にインド音楽が再生された国は、アメリカ、イギリス、アラブ首長国連邦 (UAE)、パキスタン、カナダ、マレーシア、スリランカなど、世界各地にリスナーが拡大していることが分かります。2024年のみで、9000組以上のインド人アーティストが、Spotifyのグローバルプレイリスト及びローカルプレイリストに追加されており、2023年の8700組からさらに増加しました。

Spotify Indiaでは、収益分配総額の3分の2がインド人アーティストに支払われました。Spotify India のトップ50プレイリストに追加された楽曲の90%以上がインド人アーティストの作品でした。これは2023年から6%増加で、ローカルアーティスト人気が更に強固となっています。

一方、2024年におけるインド国内の音楽原盤市場の収益成長率は2.5%に留まり、2023年の15.4%から大きな減速となりました。またインドはIFPIの世界市場ランキングでは14位から15位に順位を下げています。ただし、これはインド国内市場の数値です。多様な音楽ジャンルや言語のアーティストによって、インド音楽の海外輸出と、国外での著しい成長を加速させています。