Spotifyは、年内に高価格のプレミアム・プランを新たに導入する予定、と報じられています。ブルームバーグによると、新プランでは、ユーザーは、高音質再生や、新しいプレイリスト作成ツール、楽曲ライブラリ管理ツールなどにアクセスができるようになるとのことです。
新プランは、現行プランより最低5ドル多く課金される予定です (日本円で約790円、1ドル157円換算)。
また、既存ユーザー向けの追加オプションとして提供される予定です。情報筋によれば、新プランの価格は、基本プランによって異なりますが、平均で約40%の上乗せとなる予定です。
新プランにアップグレードするユーザーが増えれば、Spotifyや、ビジネスパートナーに追加の収益をもたらすとされています。Spotifyの高価格プレミアムプランの導入は、同社が最近アメリカで行った2年間で2度目となる値上げに続く、新たな戦略です。
アメリカの個人向けプレミアムプランは、月額1ドルあがり11.99ドルに(約1,890円)上がりました。
同時に、Duo及びファミリープランも、それぞれ16.99ドル、19.99ドルへ値上げしました(約2,700円、3,100円)。
Spotify社内では、導入が予定される新プランは「スプレミアム」(Supremium)と呼ばれ、1年以上も検討されてきた模様です。
また、高価格帯のプレミアムプランの導入は、2021年に高音質配信に関する計画が発表されて以来、度々報じられてきましたが、実現には至りませんでした。
特に、高音質配信は、他社ストリーミングサービスが先行して対応してきました。Apple Musicは、2021年5月から、無料でDolby Atmos対応の空間オーディオと、ロスレスオーディオの提供を始めました。Amazon Musicも高音質再生に対応した「Amazon Music HD」を、既存の月額料金に含めて提供しています。
Spotifyは、2023年より、オーディオブックと音楽再生を組み合わせたプレミアムプランの変更を行いました。
今年に入って、新プランとして、毎月15時間分のオーディオブックが再生できる「オーディオブック・アクセス・ティア」を月額10.99ドルで提供し始めました。
更に、今月、新プランとなる「ベーシック個人」(Basic Individual)プランの提供をイギリスで始めました。月額10.99ポンド(約2,200円、1ポンド200円換算)で、音楽とポッドキャスト再生のみが楽しめる、音楽好きユーザー向けのプランです。
Spotifyは、サブスクリプションの値上げと、ユーザーの利用に応じた料金形態の拡大で、追加の収益と、利用者のさらなる定着が見込めます。レコード会社や音楽出版社、アーティストなど権利保有者にとって、Spotifyの新プランや値上げは、さらなる収益分配が見込めます。そのため、音楽業界からは定期的な価格改定を歓迎する声が高まっています。