米国のレコード会社業界団体であるRIAA (米国レコード協会)は、同国の音楽原盤市場は、2024年も引き続き、強固な成長が続くと、予想します。これは、同団体のリサーチ、ゴールド・プラチナオペレーション担当副社長のマシュー・バス (Matthew Bass)が、Music Allyの取材で述べた見解です。
米国では、2023年まで、8年連続で収益が右肩上がりの成長が続き、市場全体の売上高は171億ドル (約2兆7630億円)、サブスクリプションからの売上高は112億ドル (約1兆8100億円)に達しました。
バスによれば、2024年にレコード会社の成長を牽引するのは、音楽サブスクリプションからの収益であると述べました。また、レコード会社が注力する取り組みでは、引き続き、アーティストのファンにリーチするための新しい方法を開拓することと述べました。
RIAAは、サブスクリプション利用者に関する詳細な数値は公開していませんが、バスは、米国全体で、1億人以上が、音楽サブスクリプションのサービスにアクセスしている、と推測します。RIAAの2023年度末のレポートでは、9680万人のアメリカ人が、オンデマンド型の音楽ストリーミングサービスのユーザーであると公表されています。これは、前年比5.7%の成長で、この中には、フルカタログのサブスクリプションに加えて、Amazon Prime MusicやPandora Plusなどの限定ティアのサブスクリプションサービスのユーザーも含まれます。RIAAの報告では、複数ユーザーが利用するプランは、1サブスクリプションとしてカウントされています。
さらに、バスは、米国で音楽市場が成長するチャンスが続くと見ています「米国には、現在、サブスクリプションを利用していませんが、今後数年で加入する可能性ある人々が大勢います。音楽ストリーミング市場している地域では、引き続きサブスクリプション加入者が増えています。まだ引き込むべきオーディエンスの存在を把握しています」と、潜在的なサブスクリプション・ユーザーに対する取り組みの重要性を強調しました。
米国のインディペンデント音楽レーベルの業界団体「A2IM」のCEO兼社長、リチャード・ジェームズ・バージェス (Richard James Burgess)も、Music Allyの取材に対して、「米国市場は良好に推移しているか?相対的に見ると、答えはイエスです」と述べました。「調整されたドルで見れば1999年の数字には戻っていませんが、米国の成長は、成長率はやや鈍化しているものの、健全な成長にあることを、いつも指摘しています」
米国の音楽市場に関するMusic Allyのレポートは、こちらでご覧頂けます (有料・英語レポートです。閲覧にはMusic Ally UKのサブスクリプションが必要です)。