他の音楽サービスに影響はあるでしょうか? 音楽ストリーミングプラットフォーム「Tidal」は、ハイレゾ配信するオーディオ形式を大きく変更しました。MQA (Master Quality Authenticated)と、360 Reality Audio形式のサポートを終了します。今度、同サービスは、ステレオサウンドはFLACがデフォルトとなり、高音質再生はHiRes FLAC、空間オーディオはDolby Atmosをサポートします。2024年7月24日以降、すでにTidalアプリやサービスでは、MQAまたは360 Reality Audio対応の音楽の再生ができなくなりました。
Tidalによれば、ハイレゾ再生の形式変更は、アクセス性とコストを優先するために行いました。Dolby Atmosを選んだ理由では、互換性のあるデバイスの多さ、利用できるカタログ楽曲数、アーティスト界隈における普及率の高さを挙げています。また、FLACを選んだ理由では、オープンソースであるため、アーティストが仲介者を通して制作する必要が無いことを挙げました。FLACと違い、MQAは独自フォーマットであるため、ライセンス費用が発生していました。
高音質再生を売りにして差別化を図ってきたTidalは、長年、月額サブスクリプションで10.99ドルのTidal HiFi、19.99ドルのTidal HiFi Plusのプランを提供していました。しかし、2024年4月から、価格戦略を大きく転換して、月額10.99ドルでハイレゾとロスレス音源が再生ができる個人プランを打ち出し、従来の2プランを廃止しました。Tidalの価格帯は、Apple MusicやAmazon Music Unlimitedなどと同レベルまで引き下がり、Dolby Atmos音源などの再生も、業界一般的な月額料金で可能になりました。