Twitchは、COVID-19の世界的流行によって、使用者が急増したプラットフォームの一つだ。新しいレポートによると、今年の第2四半期において、Twitchの視聴時間は、50億7千万時間になったとのこと。今年の第1四半期における31億1千万時間から四半期で62.7%増加した計算になる。

 レポートは、ライブ配信社向けのソフトウェアを制作する企業のStreamlabsと、特にゲームに焦点を当てるライブ配信分野に注目している動画分析企業のStream Hatchetが発表したものだ。そのため、今年の第2四半期に関する該当レポートは、YoouTubeやフェイスブック、そして最近閉鎖されたMixerなどにおけるゲーム配信と比較して、Twitchがどのように成長しているかに重点を置いたものとなっている。

 全体として、Twitchにおいても、チャンネルによってストリーミング配信される時間量(つまり放送されるコンテンツの量)が、第1四半期における1億2,140万時間から、第2四半期には1億9,270万時間にまで、急増していたことがわかった。また、レポートによると、Twitchのチャンネル数は、一年前の560万個から、1,000万個近くにまで増えたとのこと。

 レポートでは、音楽に関しては触れられていないが、オンライン動画業界における別の二社である、StreamElementsとArsenal·ggの最近の調査によると、Twitchの「音楽及び舞台芸術」カテゴリーは、2020年4月までの1年間で、視聴時間が385%増加したという。

 StreamlabsおよびStream Hatchetのレポートによると、第2四半期において、新ゲーム『Valorant』の実況動画配信は、5億3,400万時間視聴されており、月平均にすると1億7,800万時間で、「音楽および舞台芸術」のカテゴリ全体よりも、『Valorant』という一つのゲームに関連する動画だけで、10倍以上の人気がある計算となる。

 しかし、チャンスもある。Twitchにおけるゲーム配信者のコミュニティは、配信において、音楽を使用したがる傾向が高く、最近では、それがTwitchにとってライセンス問題を巻き起こしているものの、もし契約が可能であれば、Twitchはミュージシャンや音楽企業にとって、刺激的なシンクロのチャンスをもたらしてくれるだろう。

 もちろん、一部のレーベルは既に、プロモーション的利点を探るために、事前に権利クリアされた状態で音楽を利用可能にする試みを実行している。ダンス・レーベルのAnjunadeepは最近、Twitchのクリエイターに対して、500もの楽曲を事前に権利クリアして使用できるようにしている旨をツイートしていた。